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タゴッチ博士のShadow Labyrinthトリビア #58 -エンペラー・ギャラガ-
UPDATE:2026.01.30
■エンペラー・ギャラガ■
『Shadow Labyrinth』において、PUCKと主人公「8番目」が対峙したエンペラー・ギャラガについて説明する。
本個体は、彼らの前に立ちはだかりながらも、いかなる反撃も示さず、従容として死に就いた敵である。
その最期は、敵という語では捉え切れぬ、重く澄んだ物語性を帯びていた。
前回のトリビア#57における分類に従えば、エンペラー・ギャラガは第1世代群かつ人型ギャラガに属する。
ここで強調すべきは、ギャラガにおける“世代”とは強弱の序列ではないということと、昆虫の態様から想像されるよりも理性的、知性的な点である。
エンペラーの在り方は、その事実を最も端的に示す例である。
ギャラガは、二方向の知能を持つ。
・戦闘知能:戦闘力の最適化、破壊の効率、他勢力の駆逐に関わる知能である。
銀河連邦が「高世代」と観測分類する個体群では、この値が著しく高い傾向にある。
・社会的知能:群の繁栄と維持、他者とのコミュニケーションや共存戦略に関わる知能である。
これは第1世代群、とりわけ人型ギャラガで高度に発達することが多い。
『Shadow Labyrinth』に登場したエンペラー・ギャラガは、まさしく後者の極点に位置する。
「ギャラガという群体を、いかに維持・発展させるべきか」という命題に忠実であり、理性の選択によって行動する個体であったと形容できる。
ギャラガは一般にクイーンを頂点とする社会構造を持つ。
それに対して「エンペラー」の称号が意味するのは、単なる最上位の権威ではなく、複数のクイーンとキングが率いる群の集合体の守護の責任を負う宿命にある。
本件において推定される経緯は次の通りである。
“真の敵”は、エンペラーが守護すべきクイーンあるいは複数の群団を人質としていた可能性が高い。
ギャラガでは最強を誇るエンペラーを使役するために、その精神が疲弊したところへ、ブラグザを寄生させてG‑Host化を図ろうとしたと推測される。
しかし、エンペラーはそれに屈しなかったことはゲーム内のセリフからも容易に推測できる。
ギャラガ群団の最上位かつ最強は伊達ではなく、その強靭な意志によって寄生・支配を拒み続けたのである。
ブラグザの意識支配に抗い、時にわずかな隙を突いて自傷による自壊すら試みたが、完全なる自由は得られなかった。
それでも、長きにわたり意識を保ち続けたのである。
どれほどの時を耐えたかは最後まで語ることがなかったため不明であるが、残り少ない惑星ゼビウスのギャラガの配下をみれば、それはボスコニアン・ネヴィーア部と同等か、それ以上の可能性もある。
一方で、エンペラーは虎視眈々と現状の打破を狙っていた。
彼は惑星ゼビウスの配下と、支配下にある他の群団を通じて、周囲の全ての出来事を把握していた(※)。
※ギャラガにはESPに類する(しかしESPではない)共感性のコミュニケーション手段がある。仕組みは未だ不明。ディメンション・ワープを駆使する集団でもあることから、何らかの空間跳躍を介したコミュニケーションとも言われている。
ギャラガとギャラクシアンとの戦いのこと、ギャラクシアンが惑星ゼビウスに到達したこと、Operation Sheyenneが失敗したこと、Operation Panzerが失敗したこと、そしてその上でバグルスが惑星ゼビウスで策動し、PUCKと主人公「8番目」が“真の敵”を打倒する道を用意していて、今度こそはその勝率が高いことを理解していたのである。
ここで抵抗すれば、“真の敵”は、生き残っているクイーンと同族群を全滅させることは容易に想像がついた。
『戦えば失う。』
『沈黙すればつながる。』
社会的知能の頂に立つ者として、彼が選んだのは後者であった。
エンペラーは待った。
自らの体内に保有する「ディメンション・ワープ・カプセル」を、PUCKと主人公「8番目」に渡すために。
エンペラーは、そのカプセルが持つ膨大なエネルギーの使い道を知っていた。
自らが動けない代わりにPUCKと主人公「8番目」に“真の敵”の打倒を委ねたのである。
“真の敵”さえ撃破すればクイーンと同族は宇宙へと逃れ、新たなエンペラーも生まれ群も再生される。


